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立石おじさん お話の世界21「色盗み」

昔しゃな、紺屋、染め物屋は、サルがやっとんじゃな。じゃから、サルの手先はな、くろー染まっとろー。昔、紺屋をやって、その染料がついて、サルの指先がくろーなっとんじゃな。そのサルの紺屋のところに、お寺の小僧さんが遊びに行ったんじゃ。「サルさん、遊んでー」「いやー仕事をしとるから、邪魔になるから、いけん、いけん」「いやー、一緒に遊んで」そう言いながら、お寺の小僧さん、サルさんと一緒に遊んだ。時には、手伝っだったりしたんじゃな。その小僧さん、真っ白い衣を着て、遊びに行ったんじゃな。「サルさん、この藍甕のうちで、どれが一番染まりができん甕なの」言うたら、「これじゃ」「一番よー染まるのはどれー」「一番向うにある、あれが一番よー染まる甕じゃけどな」言いながら、一日遊んで、「あーサルさんありがとう」言って帰っていったんじゃな。次の日にも、また、白い衣を着て、小僧さんが遊びに来て、一日遊んだ。夕方になっかと思ったら、一番よー染まる藍甕の中に、ボチャンと落ちで、バシャバシャ、バシャバシャ、バシャバシャ、「助けてくれー、助けてくれー」サルがやっとのことで、引き上げたんじゃ。「いやー、真っ白い衣が汚れてしもうた。帰ったら和尚さんにしかられる」言うて帰って行ったんじゃ。次の日には、「きのう帰ったら、和尚さんにしかられた『もう白い衣やこーきせん』いうて、きのうの汚れた衣を着てきた」そう言って、一日、遊んで、夕方になると、また、一番良く染まる藍甕の中に、ボシャンと落ちて、バシャバシャ、バシャバシバシャー、助けてくれ」言って、引き上げられたんじゃな。三日目には、白い衣を着てきて、何事もなかった。四日目にも白い衣を着てきて、今度は、また、藍甕の中に落ちる。五日目も落ちたんじゃな。七日目、サルは、やっと気が付いたんじゃ。「小僧、おまえは、うちに色盗みに来たな」言ったら、小僧さんが、「和尚さんが、色盗みをするならわかるけど、わたしゃー子どもですから、色を盗む事なんかできません」言って、飛んで逃げたんじゃって。小僧は、白い衣を二枚、ただで黒い衣に染めあげたんじゃって。昔こっぷり。

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  • 放送日:2013/03/08(金)
  • 担当者:中塚美佐子
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