KCTコミちゃん（倉敷ケーブルテレビ）

昔からな、男というのは、争い事が大好きでな、すぐに喧嘩をしたり、戦争に訴えたり、ようするんじゃな。男がおらなんだら、戦争なんか半分以下に減るだろうと思うんじゃけど。まあ、今でも戦争はやる。これも男のせいだろうと思うんじゃな。人間だけじゃのーて、たとえば、鶏でも雄鶏同士は、よう喧嘩をするんじゃ。昔は、よう鶏を飼うとったからな、雄鶏がおると、よう取っ組み合いの喧嘩をしとったのを見とった。ほんとによう喧嘩をしとった。ある時にな、鶏にきれいな一匹の雌鶏がおったんじゃ。それを「あの雌鶏は、わしのもんじゃ」「なにを言うか、あの雌鶏は、わしのもんじゃ」雄鶏同士が喧嘩を始めたんじゃ。「カァー、カッカッカッカッカァーカァー」「カッカッカッカッカッカー」もう二匹の雄鶏がお互いに叫びあってるいちはいいけど、そのうちに取っ組み合いになって「カッカッカッカッ、カッアー」と喧嘩をする。そうするとやっぱし、予想通り、体の大きい、力の強いと思っとった雄鶏が勝っていく。またほかの雄鶏と喧嘩をして、とうとう体の多きいい力の強い雄鶏が勝ったんじゃな。そうしたら、その雄鶏が喜んで、「あの雌鶏は、わしのもんじゃぞー」言ってそこらへんにおる雄鶏たちに言って、それからパタパタパターと屋根上に飛びあがったら、四方に向かって「コッケーローコー、あの雌鶏は、わしのもんじゃっぞー、コッケーローコー　あの雌鶏は、わしのもんじゃぞ」遠くまで聞こえるように叫んだでおったんじゃな。ちょうどその時に空の高いところを飛んどった鷲がその雄鶏を見つけて、サッーと降りてその雄鶏を掴んで飛んでいってしもうたんじゃって。ちょっとぐらい勝った事をあんまり自慢をするもんじゃないんじゃって。昔こっぷり。