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立石おしさん お話の世界⑪「豆とワラと炭」

昔な、おばあさんが、かまどに鍋をかけて、豆を炒っとったんじゃな。そうしたら、ひとつぶが、その鍋からこぼれてコロコロッと下に落ちたんじゃな。落ちたところに麦ワラとそれから炭がころがっておって「ありゃりゃーもう、豆さん久ぶりじゃな。こりゃ、豆と炭とワラと三人一緒になったから、3人でひとつ旅でもせんか、伊勢参りでもせんか」ということになって、3人が、そろうて伊勢参りをしたんじゃな。豆はコロコロコローと転がって歩いていく。麦ワラはスーイスイ、スーイスイと飛んでいくように行くし、それから、炭はコッテンコー、コッテンンコーと歩いて行ったんじゃな。3人が楽しゅーあるいていった。そうしたら、川があったんじゃ。「橋がかかってないから、向うに渡ることができんぞ」ゆーたら、麦ワラが「まーわしが橋になってやろう」ゆーたかと思ったら、体をスーと伸ばして橋になったんじゃな。そうしたら、その上を豆がコロコロコロコロッと転がってコロンと向うに渡った。次に炭が渡ることになったんじゃ。炭は高いところが、もう、嫌いでな、コッテンコー、コッテンコー、コッテンンコー、コッテンコーと途中まで行ったんじゃけど、つい下を見たら、下を川の水がゴンゴン音を立てて流れとる。もうきょーとーてなってブルブル震え出したところが、向うで見ておった豆が、「おーい、炭さん、きょーといんか、弱虫じゃのー」ゆーたら、炭がカンカンに怒ったんじゃ。怒ったところが真っ赤になって、麦ワラに火がついて、炭と麦ワラは川の中にポシャンと落ちて流されてしもーた。それを見た豆は、「ワッハッハッハー」と笑い過ぎたもんじゃから、お腹がパチーンと裂けたんじゃ。そのときちょうど、通りかかった小間物屋が「ありゃりゃー豆さん縫うてあげよう」クシュクシュクシューと破れたところを縫ってくれたんじゃな。白い糸で縫えば良かったんじゃけど、まちごうて黒い糸で縫うたもんじゃから」今でも豆のお腹には、黒い線がついとるんじゃって。昔こっぷり。

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  • 放送日:2012/09/20(木)
  • 担当者:中塚美佐子
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