みなさんは、森を守るための仕組み「FSC」森林認証制度をご存じでしょうか?「FSC」は、森林が適切に管理されているかどうかを審査し認証する国際機関です。FSC認証は環境に配慮し適切に管理された森林や、その森林から生産された木材を加工・流通する事業者に与えられます。このFSC認証を、去年1月、倉敷市内では、初めて取得した木製品加工・販売会社「ホリグチ」を取材しました。
倉敷市真備町市場の工業団地に位置する株式会社ホリグチは、昭和39年創業のオフィス家具を主流とする木製品加工・販売会社です。平成22年から代表取締役に就任した3代目の堀口真伍さんは26人の従業員とともに「より良い製品を社会に提供し、快適な生活空間を創造します」を経営理念にもの作りに励んでいます。堀口真伍代表取締役「こちらが、弊社の主力製品であるオフィース家具に使用されるテーブルの天板です。おもに、事務用のデスクであったりとか、会議用のテーブルに使われるものなんですけど、表面にはメラミン化粧板といわれる非常に硬くて丈夫な素材が使われております。」メラミン化粧板とはメラミン樹脂を合板の表面に圧着したものです。テーブルの天板などは、この化粧板を木質ボードに貼って作られます。「パーティクルボード」と呼ばれる木質ボードは、木材の切削片と接着剤を混ぜ合わせて固め、一枚の板にしたものです。ムク材の板に比べて、表面が平らで滑らか、狂いが少なく割れにくく、硬くて粘り強いという特性があります。堀口代表取締役「どちらかというと硬くて冷たい製品が多かったんですが、あるメーカからムク材を使った家具を作ってみないかと、取り組んでくれないかというようなご依頼をいただいてそちらの方から弊社の方がムク材を積極的に取り扱うようになりました。FSCを取得したもう一つの大きな理由としましては、真備の竹林を整備していこうという考えのもと地元のエコライフマビが竹水化粧品を作られているという動きを知り、私自信も木を扱う業者として少しでも森林保全活動のお手伝いができないかという風に感じまして、FFSC取得にいたりました。」FSCとはフォレスト・スチュワードシップ カウンシル森林管理協議会の略称です。ムク材の製品を作るようになったこと、森のめぐみの一つ木材を加工する事業所として環境保全に目を向けるようになったことこの2つの理由から、ホリグチは、2011年1月27日FSC認証を取得しました。守谷営業部長「FSCとは世界的な認証制度で違法伐採を防ぐとか、そこに住む動植物の保護と森林破壊防ぐためにはじめられた制度です。消費者の方は、そのマークのついた製品を使うことによって間接的にその森林を守ることに協力するということになります」FSCマークの付いた製品は、紙や木材などです。身近なものとしてはコピー用紙やノート、鉛筆といったものがあります。
FSCマークは、適切に管理された森林から作られた製品であることを保証するものです。FSC認証を取得するにあたり、ムク材を使った製品作りに力を入れるようになったホリグチでは、新たに取り入れた加工技術で岡山県産のスギやヒノキを対象にした家具づくりなどにも積極的に取り組んでいます。堀口代表取締役「弊社としましてはいち早くFSCを取得したからには木の温かみを感じるより良い製品をこれからもずっと提供していきたいと考えております。」森は、水や動植物の命を育み、さまざまなめぐみをもたらしています。FSC認証とは、この森を守り、森のめぐみの恩恵を受け続けるためのしくみです。普段なにげなく使っている紙や木材もどんな製品を選んで使うかが、地球の森の行方を左右することにもなるのです。自然環境を守りながら、資源を有効活用するという消費者の環境を考える姿勢が問われる時代になっています。まずは、FSCのロゴマークにも関心を持ちたいものですね。




