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立石おじさん お話の世界④「マムシとワラビ」

むかし、春になって、だんだんあったこうなったもんじゃから、土の穴の中に寝とったマムシが「あーだいぶあったこーなったな、もう外に出てもえーかな」と思うて、穴の中からはいだしたんじゃな。上にはい出してみたら、おてんとうさんが照ってあったかい。「ありゃりゃー、こりゃー、きれーに春になってしもうとるなー、こりゃーあったかいなー」と思うて、あっちにゾロゾロ、こっちにゾロゾロ、はい回っておったけど久しぶりにあっちこっちしたもんじゃから、ようにくたびれてしもてな。日向でマムシが気持ちよさそうに「グー、グー」大きないびきをして寝ておったんじゃな。春のあったかさで、カヤが刀のような芽をスーッと伸ばしてきたんじゃ。ちょうどその上にマムシが寝ておったもんじゃから、マムシの体を突き抜けて、カヤが伸びていったんじゃな。よう寝とったマムシがしばらくして目を覚まして、いごこうとおもうたら、いごけん。「ありゃ、どうしたかな」思ったら、体の中にカヤの芽が突きささって、抜けれんのじゃ。「ありゃーこりゃー困ったなー」と思うて、「助けてくれー助けてくれー、助けてくれー助けてくれー」マムシが叫んだんじゃな。そうしたら、もう春になったからボツボツ、起きようかなと思うて準備をしとった、ワラビがその声を聞いて、スーッと柔らかい握りこぶしのようなんで出ていった。そうして、マムシをスーッと押し寄せたら、カヤから抜けたんじゃ。それで、マムシは、自由に動くことができるようになって、向うにほうていったんじゃな。それから、マムシは助けてもらったワラビの恩を忘れんようになったんじゃな。それから、今でも、ワラビを最初につんで、足にぬりつけて「ワラビの恩をわすれたか、ワラビの恩を忘れたか、ワラビの恩を忘れたか、アビラオンケンソワカ、アビラオンケンソワカ、アビラオンケンソワカ」三言唱えると、決して、マムシに噛まれんというようになったんじゃって、昔こっぷり。

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  • 放送日:2012/06/07(木)
  • 担当者:中塚美佐子
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