小田川合流点の付け替え工事で消滅した、戦国時代の山城・南山城跡で行われた発掘調査の出土品が岡山県古代吉備文化財センターで展示、公開されています。
南山城跡は高梁川と小田川の合流点に位置する標高70メートルほどの山上にありました。
小田川合流点付け替え工事に伴い、城跡の記録保存のため平成29年4月から令和元年10月までの間、発掘調査が行われ、矢じりや食器など1000点以上が発掘されました。
古代吉備文化財センターでは出土品を一堂に展示した企画展が開かれています。
およそ20点の出土品が並び、青磁をはじめ大きな鍋や食器があることから、山城で炊事をしていたこと、羽釜や天目茶碗からは茶礼でもてなしが行われていたことが分かります。
また、刀専用の砥石や切羽、火縄銃の銃弾などの武器が見つかっていることから戦いに備えていたこと、そしてこれらの出土品から、長期にわたって籠城し軍事的な緊張状態が続いていたことがうかがえます。
当時の記録は見つかっていませんが、戦国時代の後期、毛利氏が高梁川から西を防衛するため築いたと考えられています。
「南山城跡とその時代」は11月6日まで岡山県古代吉備文化財センターで開かれています。
古代吉備文化財センターでは今回の発掘調査の成果を写真や図を使ってわかりやすく紹介したパンフレットを刊行し、無料配布しています。
また、来月(6月)25日には発掘調査の報告会が岡山県古代吉備文化財センターで開かれます。
参加を希望する方は6月5日まで、はがきかファックス、ホームページからお申し込みください。




