玉野市スポーツ振興財団の元職員が不正に3800万円あまりを引き出していた問題で、市は17日、内部調査に基づく最終報告書をまとめました。
市はチェック体制の甘さを認めたうえで、特別職の給料減額と関係した職員の懲戒処分を発表しました。
この問題は、2013年から2018年にかけてスポーツ振興財団の経理事務担当の元職員が定期預金の解約を重ね3800万円あまりを不正に引き出したものです。
最終報告書では、問題の発生した要因について、所管する市教育委員会の不適切な対応を3つ挙げています。
一つ目は、元職員が関わり2008年度から4年間続いていた体育施設の使用料の不適正な納入処理を、教育委員会が気づいていながら是正できなかったこと、二つ目は、市議会から会計処理や通帳の確認を行うよう指摘を受けたにもかかわらず、十分な対応を行わず、3800万円あまりの不正な引出しを見逃していたこと、三つ目は、2018年度からの指定管理者の変更にともなう引き継ぎ事務を元職員にゆだね、教育委員会が通帳や印鑑を回収しないという不適切な対応をとったことです。
そのうえで、印鑑通帳の適切な管理や指定管理者へのチェックを定期的に行うなどの再発防止策をまとめました。
最終報告を受け、市は関係した職員11人について職務怠慢・注意義務違反があったと指摘。
このうち在職する8人に対して地方公務員法違反として、最大で3ヶ月間10%の減給とするなどの懲戒処分を、6月1日付けで実施することを決めました。
なお、黒田晋市長も責任を取る形で6月から3ヶ月間、給料の20%を減額。
副市長と教育長も、同じ期間10%減額する条例案を市議会に提出しました。
この問題においては、すでに元職員を相手に裁判が行われ、今年3月までに刑事では懲役1年6カ月の実刑判決が確定。
民事では3800万円あまりの損害賠償請求が認められています。
今年2月から月10万円ずつの返済が始まり、5月現在、一時金を含め430万円が返還されていますが、すべて返済が終わるのは29年後の見込みです。




