倉敷市出身の洋画家岡本 唐貴(1903ー1986)が画家として活動を始めてから100年を記念した特別展示が倉敷市立美術館で開催されています。
倉敷市連島町西之浦で生まれた岡本 唐貴は1920年、17歳の頃に画家を志し、兵庫県神戸市や東京都で創作活動を行いました。
戦前の前衛美術及びプロレタリア美術運動の推進者の一人として知られています。
特別展の会場には唐貴の初期から晩年までの作品をはじめ、同じ時代に活躍した画家の作品や、プロレタリア文学の資料など47点が展示されています。
水着姿で横たわる目鼻立ちのくっきりした女性を描いた「海と女」という作品です。
生命力や新しい時代をイメージし、鮮やかな色彩で表現しています。
こちらは「蟹工船」などで知られる作家 小林 多喜二の“デスマスク”を描いたスケッチです。
唐貴は東京で多喜二の近所に住んでいた時期もあり、多喜二が厳しい思想弾圧による拷問で亡くなったと聞きつけると、即座にかけつけ描いたものとされています。
一方、こちらの油彩画は戦後に多喜二の母・セキを描いたものです。
穏やかな表情が印象的な作品です。
多喜二と多喜二の母の肖像画が同時に展示されるのは今回が初めてだということです。
特別展示「画家・岡本 唐貴の誕生 100年記念」は来月(12月)20日(日)まで倉敷市立美術館で開かれています。




