通信施設や高層ビル、発電所などの配電盤や制御盤。それに、大型LEDを使ったデジタル時計。CPUボード。電気電子の制御技術が集積したものです。そこには、度重なる造船不況を克服し蓄積した技術力で自社製品の開発に取り組む「配電盤メーカー」の力があります。
(インタ)タマデン工業㈱ 藤原一師社長
「技術力を重要視しないと我々は生き残れない」
玉野市玉原にある配電盤メーカー「タマデン工業」。三井造船の協力会社として昭和41年に創業しました。主に、船舶用のモーター修理や配電盤の製造を行っていました。しかし、昭和50年頃からの度重なる造船不況のあおりで、受注が激減。造船への依存体質の改善が急務となりました。
(インタ)タマデン工業㈱ 藤原一師社長
「今持っている技術を極端に進化させることは出来ませんので、今もっている技術をそのまま何かに使えるかなと考えると、配電盤というのは、舶用の配電盤を作らして頂いていましたので、舶用でない陸上の配電盤も世の中にはありますから陸上の配電盤を受注して作っていけないかなというような動きをまず考えました。」
そもそも配電盤は、電力会社から供給される電力を使い安いように電圧を下げ、電力を分配する電気制御機器です。造船協力会社として培った船舶用の配電盤の製造技術を上下水道プラントや石油プラントなど陸上の施設へ応用することで、大手配電盤メーカーのOEM製造を開始。経営を安定させました。その改革の成功には、自社の技術力がありました。
(インタ)タマデン工業㈱ 藤原一師社長
「従業員の気持ち、ものづくりのキーになる人物の技術力が、幸いにもあったからと思います。でないと、どんなに仕事を受注しても物が出来なければ信用も当然ないし納品が出来ないですからね。」
さらに、タマデン工業では、造船不況の最中であり、パソコンが普及し始めたばかりの昭和50年、他社に先駆けて電子システム開発の部署を設けて自社製品の開発に取り組み始めました。現在、12億円の総売り上げのうち一部ではありますが、CPUボードなど電子制御の分野で着実に成果が上がっています。
さらに、無人で自転車を走らせる制御システムの開発にも成功しました。
(インタ)タマデン工業 システム開発課 武下博彦課長
「コンピュータを使った電子回路を組むということは、ものすごい実績を持っていますから、まあ、その実績の延長ですね・・・」
大手電子機器メーカーが、同様に自立して走る自転車の制御に使っている「メカニカルジャイロ」の技術とは、全く違う技術でこれを可能にしました。タマデン工業では、特許申請を予定しています。
(インタ)タマデン工業㈱ 藤原一師社長
「電気電子は見えない部分が多いものですから、ビジュアル的には、動くものが分かりやすいですね訴えるには・・・動きことで我々の技術力を分かってもらおうというのがスタートです。」
タマデン工業では、配電盤メーカーとしての生き残りをかけて経営努力も続けています。去年夏には、念願の塗装工場を設け、配電盤の一貫生産を可能にしました。これにより、生産日数の短縮が図れたほか、塗装にかかるコストの大幅カットにも成功。技術・設備などが充実した昨年度は、創業以来最高の売り上げを計上しました。
(インタ)タマデン工業㈱ 藤原一師社長
「今の規模で内容を充実させていきたいというのが一番ですね。財務内容を充実させる、技術力を充実させる、福利厚生を充実させる、お客様を充実させるとか色々と充実という言葉に置き換えて今考えていますが、大きくするとか拡大するとか伸ばすというのはあまり好きではない。すべて充実させるという言葉に置き換えると落ち着きが良くなる・・・」
造船協力会社からスタートした中小配電盤メーカー。鉄の箱の中に 培った自社の技術を詰め込むことで新たな分野に挑戦し続けています。
(インタ)タマデン工業㈱ 藤原一師社長
「電気以外にも同じような箱の中に 水が入ってコントロールしたり、エアーで制御したりとかそういう装置は世の中には一杯ありますので、そういう箱を利用して物を組み込んで制御をかけるというとかなり広くなってきますので、そっちを得意分野にしていくかなというとこです。」




