西日本豪雨から8カ月が経ち被災地真備町では、復興に向けて動き始めています。そんな中、被災した子どもたちの心のよりどころとして活動を再開したピアノ教室には子ども達の笑顔が帰ってきていました。
豪雨災害から復旧を果たした建設工事会社のビルの3階からピアノ教室に通う子どもたちの歌声が聞こえてきます。
2010年7月、倉敷市真備町有井の片岡奈己さんが自宅で開いている子どもたちのためのピアノ教室を取材しました。ここでは、幼稚園児から大学生まで約60人がピアノのレッスンを受けていました。特に小学生は、ピアノを弾くだけでなく学校の宿題をしたり友達と遊んだりすることを楽しみに通っていました。
【インタビュー】片岡奈己さん
ところが、2018年7月西日本豪雨により片岡さんの自宅は、2階まで浸水おおきな被害を受けました。家財道具は、もちろん子どもたちがレッスンで使っていたグランドピアノはむざんな姿になっていました。去年の10月中旬復旧した建設工事会社の事務所の3階会議室を借り、県内外から寄せられたピアノやキーボードなどを運び込み11月から中学生のピアノのレッスンを再開させました。そして今年の1月からは幼稚園児や小学生も受け入れてピアノを教えています 岡田小学校1年生の渡辺薫(かおる)ちゃんの家も水につかりました。薫ちゃんの姉渡辺 実咲ちゃんは岡田小学校の3年生です。実咲ちゃんは妹と一緒に総社市のみなし仮設住宅から再開したピアノ教室へ通っています。
【インタビュー】渡辺 実咲ちゃん(岡田小3年)
被災前片岡奈己さんのピアノ教室には、80人ほどが通っていました。そのうちの7割の子どもたちが被災し、ピアノや楽器の類いも失いました。現在は、被災した3分の2の子どもたちが仮設暮らしをしながらピアノのレッスンを受けています。そんな状況の中神奈川県相模原市の音楽家柚季純さんをはじめとするボランティア仲間が被災地真備町の子どもたちに音楽を楽しんでもらおうと全国から寄せられた中古の楽器を届けてくれました。トランペット、サックス、ホルン、ドラムといった楽器を前に中学生たちは、ピアノだけでなくさまざまな楽器に触れて親しむことができると喜びました。【インタビュー】片岡奈己
中学生にこのピアノ教室に通う理由を聞いてみました。
【インタビュー】三海日菜さん 樅野恵さん徳田こころさん 中見優婭さん渡邉花菜さん
誰もが口をそろえて友達と仲良くなれて落ち着く場所と答えました。ピアノの仲間がいたから被災後の困難も一緒に乗り越えることができたといいます。このピアノ教室に笑顔があふれることで真備町の復興の前進につながるといいですね。
豪雨災害から8カ月再開したピアノ教室
【取材日】2019年2月20日
【場所】namiピアノ教室
【住所】倉敷市真備町有井




