倉敷市の重要文化財で33年ぶりに保存修理されている連島町の宝(ほう)島寺(とうじ)の仁王門(におうもん)で工事現場の一般公開が行われました。
倉敷市指定重要文化財宝島寺の仁王門は、室町時代中期に建立されたもので、宝島寺に現存する最も古い建築物です。9月から始まった改修工事では、老朽化した丹(に)塗りの塗装と傷んだ柱や垂木の修繕が行われています。現場見学会では、古い塗料がそぎ落とされた状態の板壁や大きく面取りされた柱など普段は目にできない状態の仁王門が公開され、古式工法による塗装の仕方などについて説明が行われました。また、法隆寺が建立された時にも柱の仕上げに用いられていた宮大工の道具の一つ槍鉋(やりがんな)の作業体験会も開かれ、木材をきめ細かく削ることが出来る槍鉋の使い方を教わっていました。さらに、本堂では、梵天(ぼんてん)、毘沙門天(びしゃもんてん)といった仏を守る守護神十二天(じゅうにてん)を描いた「十二天(じゅうにてん)極彩色(ごくさいしき)屏風(びょうぶ)」など宝島寺に伝わる宝物の公開も行われました。なお、宝島寺の仁王門は、来年3月に行われる御開帳法要で生まれ変わった姿が披露される予定です。
宝島寺・仁王門保存修理工事現場見学会
取材日 2016年11月27日(日)
取材場所 宝島寺(倉敷市連島町矢柄)




