玉野市と徳島県に本部を置く医療法人平成博愛会が、玉野市民病院の経営改善などを目的とした包括協定を結びました。地域医療の存続に向け、新たな一歩となります。
玉野市と包括協定を結ぶ医療法人平成博愛会の武久洋三理事長が21日、玉野市役所を訪れ、調印式が行われました。協定は、平成博愛会のノウハウを活用しながら、市民に安定した医療サービスを提供し、経営改善に取り組むものです。診療・検診業務や、新病院の調査・計画など10項目にわたり連携することが盛り込まれています。期間は平成28年4月から3年間で、その後は公設民営への移行も想定しています。黒田晋市長とともに協定書に署名捺印した平成博愛会の武久理事長は、1年目で赤字額を半分に削減する目標を掲げ、一次救急の体制を整えること、スタッフのチームワークを取り戻すことに全力を挙げる考えを示しました。医療法人平成博愛会は、徳島県をはじめ関東・関西エリアを中心に病院や老人ホームなどおよそ80の施設を運営していますが、岡山県内への進出は初めてです。玉野市民病院をめぐっては、2014年9月、黒田市長が公設民営への移行を表明し、2015年3月には指定管理者となる医療法人が決まりました。しかし、地元医師会などから反発を受けたことを理由に突然辞退。そのため市は、新たな候補団体を探し、平成博愛会にたどり着きました。ただし、平成博愛会側の意向で公設公営の運営を継続し、新病院の建設を節目に、指定管理者制度の導入、つまり公設民営化を 検討しています。2014年度末の累積赤字はおよそ38億円と、再建に待ったなしの状態が続く玉野市民病院。玉野市がパートナーとなる平成博愛会のノウハウを、どう生かすのかが注目されます。




