倉敷市文化財保護審議会は、塩生の吉祥院(きちじょういん)所蔵の千手観音画像をはじめ市内の寺院所蔵の3点を新たに重要有形民俗文化財に指定すると答申しました。
倉敷考古館学術顧問の間壁忠彦さんを会長とする倉敷市文化財保護審議会が、重要文化財指定について審議したのは、倉敷市児島塩生の吉祥院(きちじょういん)所蔵の「千手観音(せんじゅかんのん)画像(がぞう)」と玉島の円乗院(えんじょういん)所蔵の「天台山図(てんだいさんず)屏風(びょうぶ)」、児島由加連台寺所蔵の「牡丹(ぼたん)に唐獅子図(からじしず)」の3点です。いずれも去年10月の倉敷市立美術館開館30周年記念として開かれた「倉敷仏教寺院の至宝展」で 紹介されたものです。吉祥院の「千手観音画像」は、鎌倉時代後期の貴重な作例です。円乗院の「天台山図」は江戸時代の文人(ぶんじん)画家(がか)黒田(くろだ)綾山(りょうざん)が48歳の時に描いた六曲(ろくきょく)一双(いっそう)屏風(びょうぶ)で綾山の優れた大作の一つです。蓮台寺の「牡丹に唐獅子図」は、人物画を得意とした江戸時代の画家柴田義董(しばたぎとう)が12枚の杉の板戸に「百獣の王・獅子」と「百花の王・牡丹」をダイナミックに描いたものです。倉敷市文化財保護審議会は、いずれも、貴重な作例として
重要文化財に指定すべきと答申しました。なお、答申をうけた3点については、8月29日の教育委員会を経て倉敷市重要文化財の指定を受けます。




