総社市の村木美乃里さんが描くペイントアートが注目されています。
早島町のイタリアンレストラン「ラルゴ」この店内に飾られている絵画作品。赤を基調にした暖色系のペイントアートが明るい太陽を思わせる夏の雰囲気を醸し出しています。一見、抽象作家のリトグラフにようにも見ますが、この作品を描いたのは、総社市に住む村木美乃里さんです。平成元年(1989)生まれの村木美乃里さんは、今年25歳。重度の知的障害とともに成長してきました。物を壊すという破壊行動を別の行動に転換させようと美乃里さんは、小学校の3年生頃から担任の先生の指導のもと、破り捨てた紙を糊で貼り合せたり、画用紙にレヨンや絵具で色を塗り重ねたりすることを半強制的に教えられました。その結果、美乃里さんは、日課として、ローラーを使って、アクリル絵具を塗り重ねていくペイントアートを描くようになったのです。早島町にある生活介護事業所「ぬか」築100年以上の蔵を改装して2013年12月オープンしました。美乃里さんは、毎週金曜日、ここ「ぬか」へ通ってきて大好きな絵を思う存分描いています。障がいが、あるないにかかわらず絵を描く人、物を作る人、音楽を奏でる人、ダンスを踊る人というような様々な人と人が行きかう「場」をつくりたいそんな思いで設立された生活介護事業所「ぬか」。ここへ通うようになってから美乃里さんのペイントアートは単なる絵具遊びの落書きではなく、誰にも真似できない作品として認められるようになりました。村木美乃里さんが描くペイントアートは、一瞬の動きから生れる産物です。作為的に表現しようとしているのではなく、美乃里さんの思いのまま、ありのままの気持ちで描いているからこそ美しく興味深いのではないでしょうか。




