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立石おじさんお話の世界40話「ハマグリ知らず」

昔、真庭の山奥の村から、親父と息子が二人そろうて、久世のまちに買い物に出かけていったんじゃな。久しぶりの買い物じゃ。山をドンドンドンドン降りて、勝山のまちに着いた。勝山のまちの一番上にかかっとる中橋の上を歩いておったら、息子が「おとっちゃん、川の中ででサバが泳いでおるぞ」ゆったら親父が「大きな声をするな、大きな声をするな、みんなに笑われるでー、鯖ゆーのはな、おなかの中にごはんを詰めとんじゃ、よー見てみー、ごはんやこー詰めとりゃへまーが」ゆーてゆーたんじゃな。県北の方じゃ、秋祭りの寿司いうたら、鯖寿司じゃ。鯖のおなかの中にごはんを詰めて、3日、4日つけとくと、これがおいしい鯖寿司になるんじゃな。それしか、海の魚ゆーたら知らんから、親父がそうゆーて教えたんじゃ。そうして、勝山を通って、久世のまちにいきょーた。途中にな旭川が広ろうなっとるところがあるんじゃ。そこまで行ったら、息子が「おとっちゃん、おとっちゃん、あっこに海が見える、海が」「大きな声をするな、恥ずかしいが、海ゆーたらな、あの三倍ぐらいあるんじゃ」ゆーて子どもをだまらして、久世のまちに着いた。久世のまち着いたら、よーけーこと店がある。店をキョロキョロして回って、頼まれた品物をこーたり、みやげうぃこーたりして、「やれ、やれ、用事が済んだから、はよー、帰らんと日が暮れるから、ぼつぼつ帰ろうか」ゆーて、帰りかけたらちょーど、魚屋の前を通りかかった「いや、いらっしゃい、いらっしゃい、こーてつかーさい、こーてつかーさい」見たら、店の前にまあーるいもんが、いつくも並んどる。「おっあん、こりゃーなんならー、こりゃーはまぐりじゃ」「ああ、はまぐりゆーもんか、こりゃーどんなんな」「こりゃーうまいでー、はまぐりぐらいうまい貝はないで、ひとつこーてつかあさい」「どーたってくやーえー」「煮てでも焼いてでも食える」「そうか、ほんならこーて帰ろうかそねんうまいもんなら。ほんなら、七人家族じゃから、一人が二つあて、ほんなら売ってつかあさい」十四個のはまぐりを肩にかたいで息子と帰ったんじゃな。夕方家に帰ると、「やあれ、みんな、みやげをこーて来たぞ」子どもたちにみやげを渡して、「おかあさん、おかあさん、きょうはな、はまぐりゆーものをこーてきたんじゃ、煮てでも焼いてでも食えるから、まあ、煮て、今晩食おう」ゆーておかあさんが、、煮たんじゃな。はまぐりが、閉じとったのが、パカッと口を開けた。それを見た親父が「ありゃりゃあ、こりゃー中に、大きなハラワタがある、ハラワタやこー食えんから、こりゃー捨てとけー。これもハラワタじゃ、」ハラワタを全部捨てて、そうして、一人に、二つあてのはまぐりをつけたんじゃな。「じゃーうまいゆー、ほんならこれから、はまぐりを食びょーか」つかんで、「あっガリガリ・・・。ありゃりゃ、かとーて食えんがな」「かとーて食えれんがな」そうゆーようにして、はまぐりの殻はみんな食べれんもんじゃから、捨ててしもうたんじゃって。昔こっぷり。

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  • 放送日:2014/03/19(水)
  • 担当者:中塚美佐子
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