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立石おじさん お話の世界37話「雨蛙不幸」

なんと昔があったそうな。あるところに、お母さんと、息子と、ふたりで暮らしておったんじゃな。その息子というのはな、お母さんの言うことになんでも、反対するあまのじゃくじゃったんじゃ。お母さんが「きょうはな、雨が降りそうなから、下駄をはいていったほうがええぞ」言うと、「きょうは、天気じゃから草履をはいていく。」言って草履をはいていく。「すまんけどな、川に行ってな水をくんできてくれんかな」「いや、今日は、山に行って木をこってくる」「きょうは、川で魚をとってきてくれんか」「いや、きょうは、山にいって木をとってくる」「ちょっとお客さんがあるから、そこをちょっとかたずけて」「いや、いや、これから仕事をせんといけんのじゃ」ますます、広げてしまう。もう、お母さんの言うことに、ことごとく反対ばっかりする子どもじゃったじゃ。今でもそういう子どもがな、時々おるけど、あまのじゃく、あまんじゃくと言ったりしますね。ところが、お母さんが、あるときに、病気になってその病気が、だんだんだんだん、重くなってきたんじゃな。「もうこりゃ、寿命があんまりなごうーないぞ、」とお母さんは、自分自身で思うて、ある日のこと息子を枕元に呼んで言ったんじゃ。おかあさんは、自分か亡くなったらお墓を山につくってほしかった。だから、「山に作ってくれ」というと、「必ず、反対して、川につくるじゃろ」そう思うて、息子に言うたんじゃ。「お母さんは、病気がだんだん悪るーなって、もうあんまりなごー生きれんかわからん。お母さんが亡くなったら、すまんけど、たのみじゃから、お母さんのお墓を川の中に川中島に作ってくれんかな」言うたんじゃ。そう言って、ちょっとして、お母さんは、亡くなってしもうたじゃな。お母さんが亡くなると、息子は、ひとり、さびしくって、毎日、泣いておったんじゃ。「あーお母さんが生きとるときに言うことをききゃーよかった。」だけど、泣いておるばっかしするわけにいかんもんじゃから、葬式をして、お母さんをお墓ぬ埋めることになった。これまでお母さんの反対ばっかしした。もうこれが最後じゃから、今度こそ、お母さんの言うことを聞いてあげよう。そう思って息子はお母さんのお墓を川中島に作ったんじゃな。そうすると、雨が降ってくると川中島に水がつかって、お母さんんのお墓が流されそうになる。それを見た息子は、「おかあさんのお墓が流される。おかあさんのお墓が流される。おかあさんのおはかがながされる。おかあさんがながされる。おかあさんがながされる。おかあさんがながされる」ゆって泣いておったんじゃ。雨の降るたんびに「おかあさんがながされる。おかあさんがながされる。おかあさんがながされる」泣いているうちに、その息子はとうとう泣き死んでしもうたじゃな。そうして、うまれかわって雨蛙になった。雨が降りそうになると、お母さんのお墓のことを思いだして、「おかあさんがながされる。おかあさんがながされる。おかあさんのおはかがながされる」ゆってなくんじゃって。昔こっぷり。

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  • 放送日:2014/02/10(月)
  • 担当者:中塚美佐子
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