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立石おじさん お話の世界35「止めて止まらぬこいのみち」

昔な、山の奥の池にな、ゲンゴローブナが住んどったんじゃな。山の奥のせーまい、きたなげな池に住んどるゲンゴローブナ。「やー、一生こげんなところに住んどっても、なんとおもしろーない。そうじゃ、春になって天気がえーから、一回、金毘羅参りをしてみたいなー」と思うて、思いついたんじゃな。そうして、ゲンゴローブナは、池から川に泳ぎ出て、川を下って、それから、瀬戸内海を渡って、向こうに行ったところが、「金毘羅様じゃ、金毘羅参りをしてこー」言うことで、川をどんどん、下っていったんじゃ。そうしたら、途中で、コイとドジョウにばったり出会おうたんじゃ。「ありゃ、ゲンゴローブナさん、あんたどこへいきょーんなら」「いやいや、山奥の池におったばーじゃ、おもしろーないから、春になったけー、金毘羅参りをしょー思うていきょーんじゃ」「ありゃー、金毘羅参りかな、そりゃ、えーなー。わしらも参りたいなー」「なんじゃった一緒に行ってもえーで」「それじゃったら、すまんけど、連れて行ってくれんかな」「そりゃー一人より、三人の方が、話がはずんで、えーから、いっしょにいこー」言うことで、ゲンゴローブナとドジョウとコイが三人そろーて川を下って行ったんじゃな。川を下って海に出るところまで行ったところが、出口のところで、こわーい顔したフグとタイが八頭張りをしとる「こりゃこりゃ、こっから海じゃ。川のもんは、海へ入ることはならんぞ。」言うんじゃな。そりょー見た一番大きいコイが尾びれでフグの頭をポンとたたいて、その勢いでサッーと、海の中に泳ぎ込んだんじゃ。一方、ドジョウとゲンゴローブナ、こわい顔のタイがにらむもんじゃから、ジリッ、ジリッ、ジリッと後ろによって 、とうとう海によー入らずに川に引きかえしてしもうたんじゃな。そうしたら、タイがフグに対して「おまえ、なんなら、しゃんと、入れんようにせなにゃーいけんのに、コイをいれたじゃないか」言うたら、「何を言うか、あんたこそ、ちっぽけなドジョウやフナを相手にして大きなコイを相手にせなんだから入ったんじゃがな」「なにを言うかおまえが悪い」「おまえが悪い」と喧嘩をしとった。そうしたところが、海の坊さんのタコがやってきたんじゃ。「タコさん、タコさん、すまんけどな、どっちが悪いか仲裁してくれんかな」言うたところが、話を聞いたタコが「フナやドジョウは、止められるけれど、止めて止まらぬコイの道、ありゃ、ドンドン、こりゃあ、ドンドン」言うて歌うたんじゃな、それを聞いたフグが大きなおなかを出して「ありゃあ、ボテボテボテ、こりゃあボテボテボテ・・・」言って腹をたたきながら踊ったんじゃ。それで、タイとフグが仲直りをしたんじゃって。昔こっぷり。

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  • 放送日:2013/12/25(水)
  • 担当者:中塚美佐子
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