倉敷天城中学と高校で、28日、人権教育講演会が開かれ、倉敷天城高校の卒業生で口に絵筆をくわえて絵を描く画家牧野文幸さんが「生きるよろこび」と題して講演しました。
県立倉敷天城高校と天城中学校合同の人権教育講演会には、中学生・高校生、教職員、保護者など約1100人が参加しました。講師に迎えた牧野文幸さんは、倉敷天城高校に在学していた2年生の夏、水泳の練習で飛び込みに失敗。頭を強く打って頸椎を損傷し首から下が麻痺しました。以来、47歳の現在も車いすでの生活を送っています。しかし、不慮の事故から1年3ヵ月の入院後に天城高校に復学し、級友の助けを借りながら1年遅れで卒業を果たしました。高校卒業後は、リハビリ中に理学療法士の勧めで口に筆をくわえて絵を描くことに挑みました。4ヵ月に及んだ修練の末、画家としての生きる道を切り開き、さらに、書道にも情熱を傾け、2004年に五段の教授免許も取得しました。講演会では、重度の障がいという不幸な現実と向き合いながらも生きていることが幸せと感じられる目標を見つけ、夢中になって全力で努力することのすばらしさを語り、成功した時の理由を見つめ直すことの大切さも付け加えました。また講演の最後に牧野さんは、色紙に「絆」「光」「幸」「馬」「夢は大きく 志は高く」という書をしたため、母校の後輩たちの生き方を見つめ直すきっかけにしてもらいました。




