倉敷・総社・玉野・早島・岡山その他の地域情報をお届け

KCTニュース

月~木/17:00~17:30 他

月~木/17:00~17:30 他

立石おじさん お話の世界32「月が30円なら日は1円」

昔な、ある宿屋にお月さんがやってきて、「今晩宿をさしてもらいますからな」宿の亭主が外に出てみたらお月さんじゃ。「ありゃりゃ、お月さんどうもありがとうございます。どうぞ、どうぞ」いうことで、宿をしたんじゃな。お月さんじゃからふつうにしときゃーえー、いうことで、ごちそうもふつうにして、もてなしもふつうにして、そうして、次の朝、お月さんが出るときに、「いやー、宿はよかったな、料理も良かったし、もてなしも良かった。これほど、ちゃんともてなしをしてくれた宿は珍しい」言うて宿賃を払ろうて、「まあ、心づけじゃけど」と言ってチップを渡したんじゃな。「ああ、ありがとうござんす」宿の亭主はもらった。「まあ、たいしたもなあ入っていないだろう」と思って、お月さんが帰っていかれて、袋を開けてみたら、なんと30円がはいっとる。宿賃が10円なのに宿賃の3倍もの心づけがはいっとる。「ありゃーこりゃーようけーの心づけをくれた。もちーとちゃんと見て、お礼をいやーよかった」喜んだんじゃな。宿の亭主は、会う人ごとに、「お月さんいうのは、たいしたもんじゃな。30円の心づけをくれた。宿賃の3倍もの心づけをくれた」と言いふらしておったんじゃな。それから何日かして、今度は、お日さんが「今晩宿をしてもらいますからな」いうてやってきた。宿の亭主は、お月さんで30円をくれたんだから、えらいお日さんだったら、もっとたくさんの心づけをくれる思うて、もてなしは最高のもてなしをして、料理も最高のものを出してやったんじゃな。次の朝お日さんが出発する時、「や、この宿は良かった。料理も良かったし、もう本当によーもてなしてもろうた。これほどの宿に、これまで泊まったことがない。まあ、宿賃を・・・」宿賃を払って、「まあ、わずかじゃけど、心づけを・・・」いうことで、チップをくれたんじゃな。宿屋の亭主、「お月さんが30円くれたんじゃから、お日さんじゃったら、ひょっとしたら50円か100円入っとる」思うて、袋を開けてみたら、たったの1円しか入っていない。それを見た亭主、「お日さんなあ、こない泊まったお月さんは、心づけを30円くださったんじゃ。お日さんとあろうひとが、1円とはな・・・」言ったらお日さんは、「何を言うか、月が30円じゃったら日は1円にきまっとる」言ったかと思ったら、サッーと旅立っていったんじゃって。昔こっぷり。

KCTニュース動画

ご迷惑をおかけいたします。現在、混み合っています。(KCT-Net非会員様:こちらの動画は会員専用のサービスです)
  • 放送日:2013/10/25(金)
  • 担当者:中塚美佐子
おすすめ記事
親子と楽しい時間を ママ友パネルシアター奮闘中
みんなの思いを乗せて甦れ!貴重な国鉄車両

Copyright (C) KCT Co.,Ltd. All Rights Reserved.

JASRAC許諾番号:5770546002C21040