倉敷美観地区の大原家旧別邸 有隣荘で、あすから秋の特別公開が行われます。今回のテーマは「植物のメタモルフォーゼ」です。
春と秋の年2回行われている有隣荘の特別公開。今回は、大原美術館が所蔵している植物を題材にした絵画や屏風など16点の作品を披露しています。日常にある草花が、作家の視点や感性によってどのように変容しているのかが見所です。陶芸家・富本憲吉の大鉢には、スベリヒユが写実的に描かれています。一方、富本の孫弟子にあたる田嶋悦子は、白と緑を基調にした陶器とガラスの造形で、スベリヒユを愛らしい姿にしました。野ブドウを描いた作品も、表現の対比が際立っています。こちらの、棟方志功の木版画屏風は、花札をヒントにした六曲一隻です。ひと月ごとに象徴される動植物を描いていますが、なぜか12月だけ動植物ではありません。このほか、現代作家・会田誠のユーモアが効いた「愛ちゃん盆栽」や、紀元前に作られたエジプトの陶磁器、トルコの皿などにも、植物が描かれています。秋の有隣荘特別公開は、11日~20日までです。




