倉敷市玉島黒崎に岩谷窯を構える陶芸家の渡辺篤さんの個展が倉敷・中央画廊で開かれています。
渡辺さんは36歳の気鋭の作家です。父親の築いた岩谷窯で、2005年から備前焼の制作を本格的にはじめました。ここ数年は「備中青瓷」と名付けた青瓷作品に力を入れています。肉厚で重厚感のある備前焼に対し、青瓷はまるでガラスのように繊細で緊張感があり、渡辺さんは「凛とした美しさがある」と魅力を話します。渡辺さんの青瓷は備前の土を使うことで縁が黒く、血管のようにひび状に染めた赤は成羽産の弁柄です。焼きには高梁川の川岸の柳の灰を使うというこだわりよう。表面に薄く塗った釉薬は、乾燥を繰り返しながら何層にも重ねて、丁寧に仕上げました。倉敷の地から青瓷の魅力を発信していこうと、奮闘しています。渡辺篤さんの個展は倉敷・中央画廊で16日(日)まで開かれています。




